ノートパソコンや携帯電話の電源として用いられている二次電池(充放電可能な電池)の 代表的なものとしてLiイオン電池が挙げられます。 Liイオン電池は、Liイオンが正極材料から脱離して負極材料へ挿入されることで充電されます。 逆に、放電時にはLiイオンが負極材料から脱離して正極材料へ挿入されます(右図参照)。 正極材料として現在広く用いられているLiCoO₂は、 Li層とCoO₂層が交互積層しており、Liイオンの挿入・脱離に適しています。 しかしながら、LiやCoが希少金属であることから、Liイオン電池の大型化・低コスト化は困難です。 今後、イオン電池を電気自動車等の様々な分野に応用する上で、 地球上に豊富に存在し、環境負荷の低い元素を用いた正極材料の開発が望まれています。